末梢動脈疾患
閉塞性動脈硬化症とは
手や足の血管の動脈硬化により、狭窄や閉塞を起こして、血液の流れが悪くなり、手先や足先に栄養や酸素を十分に送り届けることができなくなる病気です。主に下肢に生じます。どうやって見つかるの?
次のような症状があれば、閉塞性動脈硬化症かもしれません。医師に相談してください。また、足の痛みで整形外科を受診して、下肢の血行障害に気づく場合もあります。冷感・しびれ感
手足が冷たい、手足がしびれる、手足の指が青白い間歇性跛行
一定の距離を歩くとふくらはぎやおしりの筋肉が締め付けられるように痛くなり、休まなければならないが、数分で回復する。階段・坂道を登る時は特につらい。安静時疼痛
じっとしていても手足に刺すような痛みがあり、夜も眠れない。潰瘍・壊死
手や足先に難治性の潰瘍ができる。黒く壊疽になる。検査は?
触診
実際に足に触れ、脈拍を調べて動脈硬化の有無を確認します。大腿動脈(鼠径部)、膝窩動脈(膝裏)、足背動脈(足の甲)、後脛骨動脈(くるぶしの内側)など。
上腕・足関節血圧比(Ankle Brachial Pressure Index: ABPI)
足関節と上腕動脈の血圧の比をABPIといいます。 ABPIが1.0以上あれば正常ですが、0.9以下では足に動脈硬化が疑われます。造影CT
動脈の狭窄・閉塞を確認できます。動脈壁の石灰化なども確認できます。血管造影検査
動脈にカテーテルを挿入し造影剤を流してレントゲン撮影を行います。動脈の狭窄・閉塞部位を正確に調べることができます。
その他
超音波、レーザーなどで血流を、サーモグラフィーで皮膚温を確認できます。治療法は?
危険因子の改善
もっとも大事なことは、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、肥満などの危険因子をしっかり治療し、改善することです。運動療法
毎日歩行運動を続けていくと側副血行路が発達して血流が改善されます。薬物療法
血液をサラサラにしたり、血管を拡げたりする薬を使うことによって、血流を改善させます。血管内治療
直接動脈内に器具を入れ、狭窄・閉塞した血管を拡げます。バルーンカテーテル(風船のついた細い管)やステント(血管を内側から支える金属の器具)を使用します。
名古屋大学血管外科では、以前より血管内治療を取り入れ、かつては困難とされた長い閉塞病変なども、より低侵襲な血管内治療で治療可能になりました。
外科的手術
人工血管や自分の静脈を用いて新たに血液の道(バイパス)をつくり、血流を改善させます。病変部位、長さによっては外科的手術のほうがあきらかに成績が良い場合があり、どちらの治療法が適しているか、十分検討する必要があります。ハイブリッド治療
外科手術と血管内治療を併用し侵襲を減らした最適な治療法を行います。バイパスも血管内治療も両方行える、血管外科ならではの治療法です。
両側外腸骨動脈の慢性完全閉鎖(間歇性跛行)
広範囲な血管閉塞に対する末梢バイパス術
重症虚血による足部潰瘍・壊疽は、血行再建後も治療に難渋することが多くなります。持続陰圧吸引療法(VAC)なども取り入れ、創傷治癒の促進を補助する治療を行っています。
さらに血管内治療でも外科的手術でも血行再建が不可能な場合、血管新生療法も十分適応を検討し、行っています。
末梢動脈疾患(PAD)治療件数の推移(名古屋大学)
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